過去に3種換気のパイプファンにした理由の記事は下記です。
3種換気パイプファンにした結果は失敗の記事は下記です。
結論からいいますと、高気密住宅はダクト式一種換気か、音が気にならないなら、ダクトレスの壁掛け熱交換気が良いと思います。理由をいかに述べます。
話はダクト式一種換気をメーカー標準施工要領のとおりに施工できるという前提です。まともに施工できない業者も多く存在すると思います。住宅は施主も無知、業者も無知ですから。
私の自宅では結果的に2種換気に落ち着いていますが、2種換気も3種換気も設計が難しいです。流体の流れを机上で計算することは非常に難しいです。CFDシミュレーションのソフトウェアはあり、ためしてみましたがCFDシミュレーションの扱いも難しかったです。
私に今現在の知識があれば、自宅なら2種換気でも3種換気でも見事によどみなく換気できるように計画ができますが、これを設計段階で行うのは非常に難しく、顧客にも理解されない割に時間もかかる、ので取り組む人はいないでしょう。しかし、換気と空調は住み心地に非常に大きな比重をしめます。
当自宅では、松尾設計室のアドバイスをもとに施工したダクト式空調も、吹き出し口の位置が2種換気の空気の流れと逆行する形となっており、空調をつけると換気量が少し減るという現状です。ショートサーキットする空調の吹き出し口の位置と、排気口の位置が空気を引っ張り合う形となり換気量が減ります。換気の気流を妨げない形で空調を計画する必要がありますが、まあ、、、なかなか難しいです。。住宅程度の気積でそこまでコストをかけられないのが現状だと思います。
現実に3種換気でよどみなく換気する設計はとても難しい
ダクト式の3種換気でもおおきな問題はないのですが、設計上難しい点もいくつかあります。
- 空気行き止まりを作ってはいけない。行き止まりは換気されない。
- 個室ドアのアンダーカットの隙間からの換気では、換気量が大きく落ちてCO2濃度は1000ppmを容易に超える。
- よどみなく換気にするには、個室のドアに大きなガラリが必要、最低でも150Φ2個分くらいの開口は必要。
- 2種換気、3種換気ともに気流の流れを読むのは非常に難しい。
- 風量を大きくして負圧が大きいと、人によっては体調が悪くなります。
これらの第3種換気の計画上の難しさから、そもそも部屋ごとに給気、排気が完結する第一種換気が、簡単で快適だとおすすめしているわけです。
ちなみに高断熱高気密のハウスメーカーで採用されているヴェントサンは、同じ部屋に2個設置するか、大きなルーバーのある通気ドアがないと想定したような換気量は得られないです。
ドアのアンダーカットの隙間は70cm2程度しかないので、弱いACモーターでは換気量は確保できません。換気量確保のため、風量を大きくすると、今度は騒音が大きくなるのでこれは問題です。
その点、同時給排気の三菱のロスナイの方が換気の性能はよいと思います。パナソニックからも同時給排気の熱交換式壁付け一種換気があります。ただ壁から大きく突き出るので、残念ながら見た目はよろしくないです。。
見た目と音をきにするのならダクト式の第一種換気がよいです。工務店の発信する情報はすべてポジショントークだと思ったほうがよいです。施主のブログや動画を見た方が後々の利益は大きいでしょう。
失敗したパイプファン換気計画をリカバリーする
私は実際に住んで下記を記録、観察しました。
- 温湿度計(エアコンの気流が回っているかの目安となる)
- 風量計(換気量の測定)
- CO2濃度計(換気されているかどうかの目安となる)
- 気圧計(野外と室内の気圧差を計測する)
これら計測器を駆使して流体を追いかけました。子供が大量の目ヤニと鼻血をだしているので必死です。また無料でできる平面上のCFDシミュレーションも役に立ちました(CATCFDzero)。
頭の中で、平面上だけで3種換気の計画をするのは非常に困難です。
ゆえにダクト式の第一種換気の各部屋ごとに給気口、排気口を設置する計画で、ほぼ間違いなく換気されるので簡単で安全です。
もちろん施工が正しく行われていることが前提です。特にダクト施工は天井裏で見えなくなるので、ダクトの最短距離、最小の曲げ角度などは考慮してくれない場合がほとんどでしょう。