松尾設計室の指導を受けた工務店で注文住宅を建てる

注文住宅で悔いを残さないための住宅建築勉強ブログ

(後編)高気密、高断熱住宅に住んだらシックハウス症候群になった

副題:脱シックハウス症、自分でやる2種換気へのDIY交換。

あらすじ

・高気密、高断熱住宅に住んだらシックハウス症状が出た。
・海外の論文を調べると2種換気で解決出来そう。
自分でシックハウス症状を解決する記事の後編です。

 

前編を読んでいない方は先に読んでください。



ダクト式2種換気のダクトファンと給気口、吹き出し口の位置関係

写真のように給気口から断熱ダクトを接続、中間ダクトファン接続、エアコン上へ給気と計画しました。


一階の2種換気の完成画像

給気口、断熱ダクト配管、換気扇、吹き出し口の関係図。
中間ダクトファンのドレン水のたまる受け皿に白色の断熱材を貼り付けた。

写真で見るときれいに納まっているようにみえるが、天井懐が狭く、配管もあるのでダクトはうねっているので圧力損失は大きい、この状態で静圧は50Pa程度かかっている。事前に圧力損失が不明かつ大きい状態でも、一定風量を送れるDCモーターの換気扇をお勧めします。

ACモーターの換気扇しか選べない場合は、あらかじめ風量が大きい商品を設置して出口(吹き出し口)で調節する方法があります。パナソニックのカウンターアローファンが給気に対応した商品を出している。


二階の2種換気の完成画像

エアコン上の白い箱は、IKEAのキッチン吊戸棚に給気口を設置しました。。エアコンの熱交換器にダイレクトに外気を通すために設置しています。室内に給気される空気は空調済みの空気となります。

2階の2種換気、ダクト式給気ファンの設置図


換気扇と壁スイッチの結線、資格の必要な電気工事のみ工務店にお願いしました。

新築の天井に穴をあけまくるので、計画と設置はかなり慎重におこなったため、大変ストレスと時間がかかりました。

この2種換気への交換でDCファンにより換気量が安定し、換気不足からくる酸欠症状、シックハウス症状はほぼ完治しました。

現在、換気量は0.6回/1hでの運用となっています。冬になって換気量を0.4回/1hに減らしたら軽くシックハウス症状が復活しましたのですぐに0.6回/1hに戻しました。

 

注意:冬は給気ファン本体が結露します

冬は氷点下の外気がダクトを通ってきますので結露は避けられません。
結露水を排水するためのドレン管の接続が必要です。

そもそも当自宅で2種換気の給気に使用しているDCファンは、給気用のファンではないのですが、結露水の排出ができる構造となっているため採用しています。

ドレン管を接続して結露水の排水場所を確保してください。当自宅はエアコンの熱交換器に結露水が落ちるように計画しました。換気扇の説明書には”モーターが熱くなるから断熱材で囲うな”と記されているので、換気扇本体の底面のみ断熱材を張っています。

1月末までの4カ月間を2種換気にて運用しましたが、夜間に8時間程、外気温が氷点下になっていても、結露水がオーバーフローすることは6地域の当自宅ではなさそうです。またモーターは上部に接続されているので、側面は断熱材を張っても全く問題なさそうです。


なぜエアコンの真上に給気するのか?空調の効率化、主に除湿のため

 

エアコンの上に給気するのは空調の効率、特に除湿効率を高めるためです。色々とテストした結果を記事にしています。


当宅は海2キロ以内で湿度がかなり高く絶対湿度が25g/m3を超えます。除湿を効果的にしなければ、住宅内が自然にカビだらけになってしまう地域です。高湿度地域のため、建て替えは鉄骨造のハウスメーカーを選択する方が非常に多いです。

米国では給気ダクトに直接接続できる除湿機が多数あります。日本ではダイキンのデシカが除湿と換気が出来ますが、民生品はこれ一台しか市場にありません。


ダクト2種換気に変更したら、既存のパイプファンが無意味になったので動力なしの給排気口に交換したら部屋が無音になった


給気ファンの消費電力から推測すると、設置した2種換気の給気の中間ダクトファンは60Paまで一定風量にするための圧力がかけられるが、排気のパイプファンは20Paで風量ゼロとなるので全く風を送れない。

パイプファンは当然ファンの音がしてうるさい。これをネットフィルター付きの給排気口に変更した。これにより居室にパイプファンがなくなり、居室が静かに(ほぼ無音)になった。

全く吸わない換気扇パイプファンから無音の給排気口へ交換した。
居室の排気の換気量はほとんど変わっていない。