新築の高気密、高断熱住宅(C値0.2、UA値0.21のG3住宅)に引っ越したら酸欠、シックハウス症状が出た話です。
シックハウスの原因はパイプファンによる換気不足でした。
高気密、高断熱の注文住宅を建築しました。換気を3種換気パイプファンで計画した結果、酸欠(活動すると異常に眠くなる)、シックハウスの症状(目ヤニ、鼻血、乾燥、イライラ、頭痛)がでたので、色々試した結果、ダクト式2種換気に落ち着き解決しました話です。
問題点:高気密住宅ではパイプファンだと力が弱すぎて、計画の通りに換気できない
我が家は直径150mmの給気口が各階に1個のみです。そもそも給気口の面積が足りなかった。しかし新たに外壁に穴を開けるのは気密、断熱、結露リスクの観点からやめた方がいい。
たとえパイプファンでも、給気口の面積を排気口の面積の3倍、給気フィルター無し、すべてのドアを開放で、おそらく法定換気量のクリアは可能です。
しかし、それでもパイプファンの場合は、野外の風や気圧に換気量が大きく影響を受け、換気不足や過換気に簡単になります。
高気密住宅を3種換気のパイプファンで設計した場合に起こる不具合
- 換気量が足りないため酸欠、シックハウス症候群となる確率が高い。
- 風向きによって換気量がとても大きく変化する。
- 低気圧の時は換気量が減る。
- 冬は温度差換気によって1階の換気量が減り、2階の換気量は大幅に増えます。
換気量を増やすため、3種換気のセントラルダクトファンを計画、排気のパワーを増やせば解決?
既存のパイプファンの排気口を断熱材で埋め、天井懐にダクトを通して風呂、トイレの排気換気扇の穴を利用して各階のダクト排気を計画しました。
しかし、自分で天井点検口を取り付けて、一階の天井裏を覗いたところ、天井のふところが狭すぎて100mmダクトの配管が出来なかった。ダクトを潰さないと配管出来ない。これは想定したよりも換気量が大きく減るので中止となりました。
セントラル排気が不可とわかり、解決方法がわからないので、国内、海外の論文を探す(そもそも工務店に換気の知識があれば問題は起こっていない)
自分の知識では限界が来たので、国内、海外の(換気とVOC)に関する論文を探しました。検索すると換気に関する論文の数がそもそも少ないことがわかりました。その中で2種換気とVOCに関する論文がいくつかありましたので採用することにしました。
2種換気とVOCに関する論文の要約
いくつかあった論文の内容を要約すると、
- 新築、リフォームでシックハウス症状が出た。
- 3種換気から2種換気にして室内を陽圧へ変更した。
- 室内のTVOCが大幅(9割減)に減った。
という内容でした。
シックハウス症状の解決のために2種換気に決定です。
給気口にダクト式DCファンをつければ安定した給気ができ、新たに外壁に穴を開ける必要がないので完璧です。
これから新築される方は、給気と排気の風量が別々に調節できるダクト式の一種換気を選択することが、シックハウス症状を出さないための無難な選択です。
VOCの揮発をゼロにすることは現代住宅では不可能なため、VOCを吸い込む量を減らす対応が無難です。
2種換気のための給気ファン(中間ダクトファン)の選定
給気にACファンを使用する場合は機器の選定が難しいです。狭い天井懐に断熱ダクトをウネウネはわせるので圧力損失を計算することが出来ません。ゆえに、風量が大きめのファンを選定する必要がありますが、風量が大きくなれば騒音が増えます。
それを解決できるのが、風量が自動で一定になるDCモーターのファンです。このDCファンの中間ダクトファンが三菱にあり、これに決定しました。(”給気には使用できません”と書いていますので自己責任ですが、結露水排出用のドレン管接続が可能なのでこの商品に決めました。)
また、冬はダクト、換気扇本体が結露するので断熱ダクトにする必要があり、漏気は結露に直結するので施工ミスは許されません。
続きはこちら