松尾設計室の指導を受けた工務店で注文住宅を建てる

注文住宅で悔いを残さないための住宅建築勉強ブログ

高気密住宅で6畳間に3人が川の字で寝ると頭痛がする

◻️三人川の字で寝ると頭痛がする

高気密住宅、三人で6畳の寝室で寝るとたまに頭痛がする。頭痛が起こるのは寒い日に多い。

◻️6畳間に三人で寝てるから酸欠なのではないか?


三人で六畳に寝ているため酸素が足りてない?おそらく酸欠で頭痛がしている。寝室のCO2濃度計は600-700ppm程度で低い。この問題が起こる日は朝6時の外気温がだいたい2度以下の当地域では「寒い日」に起こる。

寒い日は、温度差換気の力で一階の排気量が減り、二階の排気量が増えている。寝室の排気量が寒い日は減り、頭痛が起こるのではないか?CO2濃度計は換気の目安にはなるが、酸欠については役に立たないようだ。

家全体の換気量を2倍に増やせば解決するが電気代が爆増してしまう。寝室だけの換気量をどのように増やすか?

 

 

◻️住宅はC値0.2で換気は2種換気

我が家は洗面所に給気しエアコンで空調し、各個室から排気する2種換気となっています。2種換気で室内が陽圧または正圧です。窓をほんの少し開けた程度では外の空気は入ってきません。窓を開けると窓から排気されます。

寝室の排気口Φ100からの換気量(排気量)は35-40m3/h程度。六畳間としては十分だ。しかし六畳間に三人で寝ると話は変わる。ビル管理法では一人当たり30m3/h必要とのことなので、就寝時は最低20m3/hとしても合計60m3/h以上の換気量が欲しい。これをどうやって達成するか?日常の生活に支障がないような換気運用が求められる。かと言って夜に10時間程度しか滞在しない寝室のために全体の換気量を2倍に増やすのはいやだ。む、むずかしい!

 

 

 

 

 

◻️換気量の問題は寝室の窓開けで解決できた(3種換気では無理)

寝室の窓をほんの少し開けると、各居室の排気口からの排気量は半分程度になり、寝室の窓から100m3/h程度が排気されることがわかった。。あっさり解決した。

繰り返すが自宅は2種換気なので室内が陽圧なので、窓を少し開けただけでは外気は入ってこない。(強風時は除く)

 

詳しい説明

24時間稼働の排気口は5つあり、常時35-40m3/h程度の排気量がある。
排気フードで10Pa程度の圧力損失がかかるので、窓を開けると圧力損失がほぼゼロの窓へ排気が集中するようだ。一階も二階も排気口からの排気量が半分程度に減る。

寝室の少し窓を開けただけで、窓からの排気量が100m3/h程度になり。他の排気口の換気量は20m3/h程度まで減った。今回は簡単に解決できました。。

 

ちなみに我が家は、24時間換気は0.6~0.7回/hと規定されている0.5回/hよりも多めの換気風量で運用しています。冬に0.4回/hまで下げた時にシックハウス症状が復活しましたので電気代より健康をとりました。。

寝室の換気量を増やす当初の計画では、寝室からから2階にダクトをつなぎ中間ダクトファンで2階へ排気しようかと計画していた。点検口の下書きをしたが不要になり、シャーペンの黒いラインのみが残った。。今回は簡単に解決できてよかった。

 

高気密高断熱住宅の換気は本当に難しい、特に3種換気と2種換気。次建てるならばダクト式の1種換気(メーカー標準施工を行える業者の場合)を選択します。理由は、個室ごとに給気と排気があるので計画が簡単だからです。

しかし、ダクト式一種換気をまともに施工する業者は少数だとおもいますので悩ましいところです。今現在の私の技量でしたらダクト配管計画から風量調節までできますが、初めての注文住宅でそこまで素人の施主が行うのは不可能に近いです。

 


◻️3種換気では温湿度のコントロールが難しい。

居室に給気、風呂トイレで排気の3種換気では今回の解決方法は使えない。
3種換気では窓を開けると夏は高温多湿、冬は低温乾燥の空気が侵入してくるからです。(給気を空調し、居室から排気ならばコントロール可能です)

2種換気はシックハウスの元となるVOCも室内に吸い上げないので健康にも良いです。トルネックスを販売してる会社では、2種換気を推奨しているようです。2種換気は空気清浄に非常に有利だからです。3種換気は家に隙間があればそこからホコリと共に室内に空気を吸い上げるので空気の綺麗さは2種換気に比べて不利です。

第1種換気で施工する場合でも、給気と排気を個別に調節できるリモコン(ローヤル電気)の機器を選択すれば、給気を排気より増やすことで室内を陽圧に保ち、家の隙間からチリ、カビ、ホコリを室内へ吸い込まないようにすることが可能です。陽圧換気にすれば、野外からの空気は必ず空気清浄フィルターを通して給気する等、室内をきれいな空気で常時保つ運用ができます。

 


とにかく、室内を外気より+5Pa陽圧にすれば家の隙間からのVOC、カビ、ホコリの室内への侵入は90%減ります(論文に基づくと)。陽圧換気だと空気が綺麗で、床にほこりもたまらない、きれいな環境が維持できることが特徴です。高気密住宅であり、防湿層が施工されていることが前提です。

 


◻️2種換気だと壁体内結露するのでは?

 


「2種換気は壁体内結露の可能性があるので住宅では使用されません」

 


どの工務店の記事も同じ呪文を書いてありますが、工務店は換気については素人だと思った方が良いです。何度も述べていますが、防湿層がまともに施工されていない限り、1種、2種、3種、どの換気方式でも頻繁に壁体内結露しています。

 


結露計算して確認した断熱構成で、防湿、気密、断熱がしっかり施工されていれば、年に数日、もしかしたら発生するかもしれない壁内結露は無視しても大丈夫です、いずれ乾きます。

 


◻️どの会社に換気設計をお願いすれば良いか?

工務店が換気やダクトの施工に不慣れであれば別の業者に頼んだ方が長期的な健康のために良いです。換気は失敗すると健康を害します。筆者の経験談です。3種パイプファンとダクト式1種換気では施工費含めて70万円くらい金額が違うと思いますが、これは健康的な生活のため投資しなければならない設備です。法は何も定めていません。一時間0.5回の換気は机上の計算だけでよいのです。現実には全く換気されていなくても、工務店になんの責務もありません。

 


私が二年間、せっせとインターネット検索した限り、換気を丸投げで任せられるのは、「石川県の福田温熱空調」と「新潟県のオーブルデザイン」くらいしかありません。どちらも工務店ではありません。換気風量を計測しない工務店は100%換気について素人です。それらに丸投げすることは危険です。

工務店は引き渡し後に頻発のクレーム等についてはなにも教えてくれません。とにかく「請負契約してしまえばこっちの勝ち」ですから。

 

換気、空調に失敗しても何の保証もありません。何の規定も法律も条例もないからです。別に工務店建築士が手を抜いてると責めるつもりはありません。私も図面で見る限りはうまくいきそうだと思いました。彼らは単に空調、換気に関しては知識、経験が少ないだけです。

 


温暖地で地域工務店が高気密住宅を作るようになってからまだ数年しか経ってないので、換気がいかに難しく、重要かを理解できてない工務店がほとんどです。

 

換気空調は流体の分野です、専門知識、経験が必要

商業施設では換気空調は全く別業者となるように、換気空調は流体力学の分野ですので、専門知識、経験が必要で難しいのも当たり前です。

住宅だと規模が小さいので専門業者のコストがかけられないのですが、求められる仕組みは全く同じです。規模が小さい、売り上げも小さい、しかし求められる技能は大規模建築と同じ、という業者にとっては無理ゲーな感じです。ゆえに空調に詳しい実務者はほとんど育たないのではないかと思います。

また、換気空調に多少の問題があっても、施主側は何が起こっているか、原因がわからないでしょう。

頭痛、倦怠感、疲労感、息苦しさ、乾燥感、目やに、鼻血、などは室内の揮発性有機化合物VOC、二酸化炭素CO2、酸O2の濃度が関係しています。これらは全て換気の問題です。