松尾設計室の指導を受けた工務店で注文住宅を建てる

注文住宅で悔いを残さないための住宅建築勉強ブログ

注文住宅の請負契約なにそれ?どうやって住宅会社を選ぶか?

注文住宅の建築や大規模なリフォームの契約は、サービス提供者と消費者の知識の差がめちゃくちゃ大きいにも関わらず、請負契約というほとんどの消費者が一度も行ったことのない契約を結びます。

 

この請負契約は当然、業者側が圧倒的に有利な契約です。消費者は何を指摘すれば良いかすらわからない素人ですから。

これを情報の非対称性と呼びまして、金融業界では法整備がかなりすすんでいます。現在まともな金融機関からサギられることは皆無です。しかし、住宅業界は全く違います。施工の手抜きは業界の標準仕様です。

 

しかも、その素人消費者は2度とお客として戻って来ませんので、見えないところは丁寧な仕事をする必要もないのです。消費者は気づきもしないので。これが業界の構造です。

 

個々のサービス提供者に悪意があるわけではなく、建築業界の構造上、手抜きが発生しやすい、それをとがめる者もいない、消費者も素人なのでわからない、消費者を守る法律もない、役満なみに買う側が不利なのです。もう笑うしかねーよ。

 

高層ビル建築ならば「プロ VS プロ」となりますので、「素人 VS プロ」の住宅と違い、欠陥の発生する確率は少なくなると思います。最近、高層ビルの建て替え命令がでていましたが笑。

 

宅建築において「うまくいった」という人は「たまたま」まともな工務店や、まともな建築士に出会えただけか、内装、外装しか見ていない人、です。

 

住宅業界の人間の「まとも」と、消費者の「まとも」には、非常に大きな差があります。

 

知識や経験のない消費者がまともな商品(サービス提供者)えらぶことは住宅業界では不可能です。また、まともな建築業者ほど利幅が少なくなりますのではやく潰れます。。もう笑うしかねーよ。

 

欠陥住宅は過去のものでしょうか?
いいえ、現在進行形です。

 

私の経験上、ほぼすべての住宅に欠陥※があるといってよいと思います。それは住宅業界では、ミスを手直しすると、人件費が追加でがかかり、工期が遅れ、業者が損をします。消費者は「無知」ですから、業者はそのまま納期に間に合うように施工を続けます。そもそもミスの発生は設計に問題がある場合も多いです。

 

まともな施工を行うのは建築業者(設計監理者、施工者、現場監督、外注の職人)の良心にゆだねられているのです。

そして良心は資本主義経済では機能しません。客がリピートしない、法のガイドラインがないので自浄作用が働かないのです。

※ここでの欠陥の定義は、建築基準法違反、メーカー標準施工要領に従わない施工です。

 

ベストな方法は、設計監理と施工を分けろ

この住宅業界の構造からの不利益をかぶる可能性を排除するには、設計監理と施工をわけるのが良いです。ベストではありませんが、これしかないのです。

つまり設計事務所と設計契約を結ぶことです。施工は別資本の会社で行います。

ここでも悪い建築士は、自分の設計料金の取り分を多くするために、請負代金が高くなるように誘導する人もいますが、これは確率としては低いです。設計士は個人事務所が多く、自分の評判でメシをくっていますし、素人にも価格が増大するのは明らかですので。

工務店ハウスメーカーのような、設計、監理、施工、が同じ会社内によって行われるよりは、設計監理と施工をわけて、欠陥住宅を防ぐのが無知な消費者にできる唯一の方法です。

 

そうでない場合は、私のようにノイローゼになるくらい時間をかけて勉強して、手抜き業者と対等に渡り合える施工の知識、法律の知識を身につけてください。しかし、心身ともに非常に疲れる、時間も金もかかる、多大な時間をかけた膨大な知識を次に生かせない、との理由でお勧めしません。

 

3回くらい建てる予定の方は、自分で勉強したほうがおもしろいと思います。